センター長内山登紀夫より、

皆様にご挨拶申し上げます。

 当センターの支援方針は、東日本大震災後に福島県で行ってきた子どもたちへの支援活動を背景に構築されてまいりました。支援において大切にしている価値観は、親子への深い共感と敬意、地域の支援者との協働、そして高い専門性と臨床実践の重視です。当センターの臨床スタッフは、高度な臨床技術と知識の維持をしつつ、支援活動への関心と意欲を持ち続け、親子や他機関の支援者と連携・協力しながら、支援を行っています。

 当センターでは、Bio-Psycho-Social(生物ー心理ー社会)モデルを支援の基本的な枠組みとしております。このモデルでは、「生物」は生まれつきの発達特性を、「心理」は、子どもと親の気持ちを大切にすること、「社会」は子どもを支える責任主体をそれぞれ意味します。社会には、家庭や保育所、認定こども園、幼稚園、児童発達支援センターなど、多様な支援者が含まれます。

 Bio(生物)では子どもの発達特性を正確に把握し、親と地域の支援者に適切に情報を伝えることを重視しています。子どもへのアセスメントは Social(社会)の一部である保育所等のニーズを把握したうえで、保護者や家庭の状況、地域社会の資源なども含めて包括的に行います。アセスメント結果に基づく情報提供にあたっては、専門家が得た情報は保護者のものであるという認識を持ち、できる限り明確にお伝えすることを原則にしています。

 Psycho(心理)では支援者の言動によって保護者や子どもが傷つくことのないよう、十分な配慮が必要です。過去に保護者が心を痛めたような表現や、子どもにとって過度な負担となる言葉がけは避けなければなりません。支援の場では、子どもの負担を減らす工夫、わかりやすい環境づくりを提案していきます。

一般社団法人福島県子どもの発達支援協会
親と子のサポートセンターふくしま 

センター長 

内山登紀夫